2008-11-26

祖父が亡くなったときのこと。

個人的には気に入っている話なのですが、話すと嫌われる系の行き場のない話ですので、ちょっと思い出したこともあり書いてみようと思います。



僕が21のとき、祖父が亡くなった。



旭川での居酒屋のバイト中に電話がかかってきて、すぐに店長に休みをもらい、次の日得意の「SKY MATE(21歳以下で当日空席がある場合、航空券が半額になるサービス)」を使って青森に帰った。




帰ってみると祖父は冷たくなって棺に入っていた。祖母はずっと泣いている。僕も悲しくはあったが、その日涙は出なかった。



その日は近くに住む叔父夫婦一家と祖父の家で食事。我が実家も祖父の家の近くなのである。その家は現在空き家なのだが。その中で誰かがこんなことを言っていた。



「おじいちゃんは信心深かったんだって。知らなかったよなぁ。それおかげでなんだかやたら長い戒名もらっていたよ。



その戒名が書いた紙なんだけどな、おじいちゃんの棺の中に入っているよ。




だけど紙の中は絶対みちゃいけないんだって。見た人は目がつぶれるって話だぞ。




紙の中に何が書いてあるかっつーと、お釈迦さまからおじいちゃんまでの家系図みたいのものが書いてあるらしい。おじいちゃんみたいな信心深い人はお釈迦様の生まれ変わりなんだってさ。(※注:津軽弁を読みやすいように直してあります)」




ほう。それは非常に興味深い。



夜が更けてくる。祖父の次男だが、今回喪主の父も酒が入ってきて泣き出す。



何か書かれた、大量のチラシの裏紙が出てきたそうだ。祖父は生前、突然「自分史を書く」とか言い出して、新聞のチラシの裏に自分が生まれたときのことを書きだしたらしい。これもまた僕らを驚かせた。




一緒に住んでいた祖母は知っていたんだか、知らなかったんだか、よくわからない。ただただ泣いている。



チラシの文字は最初は読めるのだが、最後のほうはもう具合が悪くなったせいか、読める状態にない。



父も僕も、葬儀が落ち着いてから読んだが、自分に正直に書いてあって、若いときの話などはかなり恥ずかしい。



麻雀などをしながら、ろうそくの火を消さないようみんなでおきていたが、朝方近くになって僕ひとりだけになった。




そのとき、あの戒名が書かれた紙のことをふと思い出した。




お釈迦さまからの家系図って。。そんな一枚の紙に書き切れる量だろうか?




そんなものが書いているわけがない。だとしたら何が書いてあるんだろうか??




そして目なんてつぶれるわけがないよな。。たかが紙で。









確かめてみるか。。








いや、やっぱやめとこう。





ということで、結局ビビッて見られなかったという話でした。ほら、話すと嫌われる系の話でしょう?



今にして思えば、目がつぶれるというより、目なんて必要がなくなる真理が書いていたのかもしれないなあと思います。

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